うなぎパワー!土用の丑の日が1週間以上だったというのに、今頃うなぎ記事か!とお思いでしょうが、お許しを。。。さて、最近トライアスリートというよりはランナー寄りになってきた毛利です。それはなぜかと申しますと、「四万十川ウルトラマラソン(100km)」に出場する為です。2年前に初めてのマラソンで四万十ウルトラの100kmを走って、その時の目標は完走でした。一応完走はしたものの、その練習過程とは100kmを目標とされている方たちに申し訳ないほどの内容で、今思うと自分でもあの練習でよく完走したよな、と思う内容でした。今年は2年前のタイム(13時間40分くらい)を約3時間縮める10時間台を目標としておりますので、2年前のぬるい練習ではいけないのです。幸い四万十で一緒に練習する仲間もできて、楽しく長距離練習をしております。そして、先日の日曜日、今シーズンの練習では最長となる50km練を敢行しました!参加者は私を入れて3名。いや〜一人じゃなくて良かったですよ(^^)みなさん100kmのタイムでは、全然上を行く方たちです。胸を借りての練習です。それと、8月7日にした理由の一つには、四万十川で一番有名な沈下橋でもある「岩間の沈下橋」のほとりで「うなぎ祭り」が開催されている!というのも大きな理由です。2016.08.09 11:00
除菌、抗菌、殺菌 どれがいいの??7月25日、26日と食品製造者としてはこれから必須となる「HACCP(ハサップ、ハセップ)」の講習会にどっぷり浸かってきました。座学が丸2日も続くと、慣れていないものとしてはなかなかこたえます。。。この勉強は食品製造業者向けですので、私ども食品メーカーが消費者の方に安全、安心な食品を提供するためにするべき内容がほとんどで、一般の方には直接は関係の無い事柄ばかりでした。(そりゃそうですよね)でもその中でこれは食品業者だけでなく一般消費者の方も知っておいたらいいかな、という事を習いましたので、紹介したいと思います。よくCMで「抗菌コート」とか「殺菌成分」とか「除菌スプレー」とか聞きますよね。この「抗菌」「殺菌」「除菌」てどう違うのか知っている方って少ないのでは無いでしょうか?こういった商品を作っているメーカーは嘘は言っていません。しかしこの用語がどのような意味かを知らないと「イメージ」だけでよさそうに思ってしまうのです。では、世界基準のHACCP講習会で習った用語説明です。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー1、滅菌・・・全ての菌を死滅させること。主に器具を対象とした用語。2、殺菌・・・「菌を殺す」という意味。どの程度殺したかは問わない。その為「99%殺菌」などと表現される。3、消毒・・・付着、又は含まれている病原性微生物を殺し、数を減らすなどして毒性を無力化させること。4、除菌・・・物体や空間に含まれる微生物の数を減らし、清浄度を高めること。5、静菌・・・微生物の活動を停止又は低下させ、増殖を抑制すること。6、抗菌・・・主に物の表面についた菌の増殖を長時間防止すること。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上です。上記の中では「滅菌」と「消毒」には基準があります。「殺菌」「除菌」「静菌」「抗菌」には基準がありません。お近くにある、こう言った用語を使った製品を見てみてください。ほとんどが「殺菌」「除菌」「抗菌」では無いかと思います。講義いただいた先生によると、「99%除菌」と書いているスプレーを吹きかけても、菌というのは100万単位で存在しますので、仮に100万の菌のうち99万減らしたとしても、大腸菌であれば条件の良い環境では2時間程度で100万を超えてしまいます。この理論からいくと除菌スプレーは2時間以内にかけ続けないといけないということになります。が、口に入れるものならいざしらず、通常わたしたちが体で触れるものには様々な雑菌がいるので、そこまで神経質にしているときりが無いですし、健康体の大人であればその雑菌にも耐えうる抵抗力を持ち合わせています。そう思うと、いつもいつも除菌されている便座のほうが、電車のつり革や不特定多数の方が使うドアノブより綺麗だということですね。食品でも、思いっきり殺菌された食品もありますが、これは「保存料」とか「防腐剤」と言った類のもので殺菌されているのであって、その食品を作る光景は見たく無いと思います。幸い麦屋のうどんは保存料、防腐剤は一切使っておりませんし、急速冷凍する前に湯がき工程があり加熱殺菌をしています。そして一気に−48度まで冷やし凍結します。菌の繁殖が盛んになると言われるプラス47度〜25度を一気に駆け抜けますので、菌の増殖はほとんど無い状態でお客様にお届け出来るのです。こう言った勉強をすると、流通商品が冷凍うどんでよかったな〜と思います。今食品製造業界は(ある一部の間違った会社を除き)、消費者の方にいかに安全、安心で美味しいものを提供するかでものすごく努力をしています。しかしそれを価格に転嫁することなく、多くは自助努力で行っているのです。消費者の皆さまもそうした食品製造者の思いを少しでも気にしていただければ幸いです。そして、指定された保存方法や調理方法で召し上がってください。間違った保存や調理で食べられますと、せっかく美味しくいただけるはず、安全にいただけるはずのものが、「美味しくない」や「食あたり」と言った悲しい結果につながるかもしれないのです。2016.07.26 12:16
人間の力は偉大だった!食品のみならず、世に出る様々な商品では人の感覚に頼った「官能試験」というものを行う事があります。これは人間の五感・視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚を使って、これらの感覚で対象となる「試料」を評価する試験の事です。機械ではじき出した数値では測定できない「好み」などを計る場合に多く用いられます。食品以外では、例えば車の乗り心地だったり、スピーカーの聴き心地、アロマオイルの効果などを測定する場合に行うようです。食品に関しては、ほとんどが「食べて」「飲んで」試験をします。多くは「美味しさ」を求めるためですが、「美味しさ」の要因として科学的要因は1、味覚(舌面での味わい)2、臭覚(食品の香り)物理的要因は1、視覚(色、形、大きさ、つや盛り付けなど)2、聴覚(嚙み砕く音、ジューという音など)3、触覚(硬さ、滑らかさ、飲みやすさなど)こういった要因を複合して「美味しさ」が定義されます。測定で用いられるのはこの5つで、それ以外の要因はなるべく排除します。しかし人間は上記5つの要因以外にも「生理的要因」「心理的要因」「外的要因」が組み合わさり、複雑に絡み合って「おいしい」「まずい」を判断しています。試験のやり方において、この「生理的要因」「心理的要因」「外的要因」を最小限にすることが求められます。例えば疲れていたりすることで人間の感度が鈍ったり、甘いものをいつも以上においしいと感じたります。行列のできるお店だとか、入手困難だとか、誰々がおいしいと言っていたという情報を事前に受けると、おいしいと感じたりします。又、食べる順番によっても判断が変わる場合があります。官能試験は「識別型」と呼ばれる人間の感覚を精密な測定器とみなし、特性や差を検出する検査と、「嗜好型」と呼ばれる、人間の総合的な判断力に頼って好ましさを調べる検査があります。二つの検査方法、どちらをするにせよ統計学を用いて行います。これは、官能検査以外でも用いることができるなと、結構勉強になりました。「特別」か「特別でない」かを40回、もしくは40人の試験をもとに導き出す計算方法です。例えばある2つの同じ種類の食品があり、どちらがおいしいか40人に食べてもらい、差があるのかという試験です。A食品のほうがおいしいと答えたのは26人B食品のほうがおいしいと答えたのは14人とした場合、両方の食品に差はあるのか?といいますと、(細かい計算式は省きます)官能試験での結果では「差は無い」ということになるのです。では、差があるという判断は何人であれば良いかと言いますと、「有意水準」という数値5%では27人以上、1%では29人以上、0.1%では31人以上がおいしいと答えた時に「差がある」となります。もう一つ味覚検査で使われる人の識別能力を測る検査です。1%と1.06%の塩水の濃い方を答える試験を40回した場合、正解が26回であった場合、この人は識別能力が有るか無いか!?結果は「有る」です。ではなぜさっきは26という数字で「無し」で今回は「有る」のかと申しますと、どちらを選んでも構わない選択肢の場合は「両側検定」という計算方法が使われ、片方だけが正解という選択肢の場合は「片側検定」と言う計算方法が使われるからです。では、この塩水の検査で識別能力が有る無しの基準値は!?と申しますと、「有意水準」5%で26回、1%で28回、0.1%で31回となります。25回以下では、偶然当たったかもしれないという事になり「識別能力無し」となるのです。こういった計算の機能はExcelにもあるようです。Excelってすごいですよね。昨年経営学を学んだ時にも、投資や配当などの計算もExcelでできました。足す引く掛ける割るなどを用いるのでなく、専用の関数があるんですね。すごい!!もしご自分で味の識別能力が有るか無いかを調べたければ、1%と1.06%の塩水を40回飲み比べてください。もしかしたら「味にうるさい」人でも正解が25回以下かもしれませんよ〜って、僕も人のことは言えません。ま、こうして人の感覚を頼って検査をし、商品として世に出たり改良を加えてより違いを出したり、より好まれるようにしているのです。その他にも、採点法や選択法などの分析方法があり、そこでもこの関数が用いられるようです。人間の感覚は偉大ですね!2016.07.13 13:04
放射線と放射能の話我々一般人は混同して使いがちですが、違うようです。・放射線・・・放射性物質から出るもの(アルファー線、ベータ線、ガンマー線など)を放射線という・放射能・・・放射性物質が放射線を出す能力を放射能というということです。東日本大震災で福島第一原発が被害にあってから、よく聞く単位に「ベクレル」とか「シーベルト」とかがあると思います。これは・ベクレル・・・放射能の強さを表す単位1ベクレルは1秒間に1回放射線を出す能力・シーベルト・・・放射能を浴びた時の人体への影響度を表す単位1mSvは1000分の1Sv1μSvは100万分の1Svです。1Svは単位として大きすぎるのでニュースなのではこちらの単位をよく使うようです。僕なりの解釈は「ベクレル」が地震でいうマグニチュードで「シーベルト」が震度かなと解釈しています。放射線は主に4つの線があり、透過能力に差があります。アルファー線・・・紙1枚、又は11cmの空気層で遮断できる。ベータ線・・・厚さ6mmのアルミ板で遮断できる。ガンマ線・・・厚さ7cmのアルミ板、厚さ10cmの鉛板、厚さ50cmのコンクリートで遮断できる。中性子線・・・水やコンクリートの厚い壁に含まれる水素原子によって初めて遮断できるです。放射線は日常地球上にもあります。しかしそれは人体に全く影響のないレベルなのですが、実は地球上でも地域差があるようです。日本は世界の平均値よりは低いようです。世界で高い値を示しているのはイランのラムサールという地域でカスピ海のほとりにある都市です。この地域は日本の平均自然放射線の24倍の自然放射線がある地域です。https://goo.gl/maps/anQnmiFJs7rでもそこに住んでいる人たちを調べても、さして健康被害は出ていないようです。どちらかというとガンの発生も低いようです。これは、遺伝的に放射線に強い遺伝子を持っているのでしょうか?ガンは被爆だけで起こるものではないので、それだけではなんとも言えないですね。しかもこれは外部被曝の値です。内部被曝に目を移すと、日本の基準は世界に比べて別にゆるいわけではないようです。数値にばらつきはあるとはいえ、食品からの線量は国際基準の年間1mSvということです。そして乳幼児職人に関しては半分の年間50mSvです。いずれにしろこの辺りは専門家でも意見の分かれることなので、素人がやすやすと意見を言えることではありません。レントゲンを撮っても、飛行に乗っても、山に行っても被爆はします。通常の生活であれば問題ないようですね。ではなぜ人類は危険だと言われる放射線を出す原子力の力を使うのでしょうか?それは、小さな質量で非常に大きなエネルギーを発生させるからです。通常の化学反応と、原子核反応では2.3×107倍のエイネルギーの違いがあるそうです。ウラン1g=石油2500L=石炭3トンです。そりゃ効率を取れば原子力でしょうね。しかし、人類はこれに手を出したことで後戻りができなくなっているのも確かです。平和利用で使うにしても放射性廃棄物問題はどうしてもついて回るのです。先日この放射線について講義をいただいた高知大学の沢村先生も、完全な運用はあるのだろうか?と警告されています。高知県に住み3.11も高知県でテレビで見ていた僕としては、日頃放射線や放射能汚染について考える機会はあまりなかったので、こういった機会を食品の観点から学ぶことができたのは、良い機会でした。2016.07.12 00:00
ヤフーニュースに出ていた脂肪酸の話昨日のヤフーニュースで、飽和脂肪酸の話題が出ていましたね。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160706-00000021-jij_afp-int以前からそういったことは言われていたと思いますし、大学の授業でも習いました。この件について書いたブログです。https://mugiyateishu33.theblog.me/posts/923753簡単に言いますと「動物性脂肪より植物性脂肪、魚油系を摂りましょう!」ということです。ただ、これもバランスですので、動物性脂肪を全く取らなくなるとエスキモーのように出血が止まりにくくなるようです。少し極端なダイエット法として「炭水化物(糖質)はダメで、油はOK!肉もいくら食べても大丈夫!!」という事を言う方がいます。その人は痩せるかもしれませんが、その体内に流れる血はドロドロということになります。何事もバランスです。現代の食生活でトランス脂肪酸や飽和脂肪酸を取らないというのは現実的でないと思います。ただなるべく取らないようにする事は出来ると思いますので、気にする方は「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」「多価不飽和脂肪酸」「トランス脂肪酸」「オメガ3」「オメガ6」といった脂肪酸の事を少し勉強するだけでも、それぞれの脂肪酸の働きや弊害、どの食品に多く入っているとか少ないとかがわかってくるので、生活に活かせると思います。2016.07.07 23:30
「トクホ」など機能性のある食品の話「特保」「トクホ」などの飲料を飲んだことのある方は多いと思います。僕も気にはしていなくても、買ったら特保だったということもよくあります。この制度は1991年に始まったようですが、2000年台になってから商品がどんどん出てきましたね。では、特保ってなに??といいますと、・お腹の調子を整える食品・コレステロールが高めの方食品・血圧が高めの方食品・ミネラルの吸収を助ける食品・骨の健康が気になる方食品・虫歯の原因になりにくい食品・歯を丈夫で健康にする食品・血糖値が気になり始めた方の食品・血中中性脂肪、体脂肪が気になる方の食品と以上のような食品です。ヘルスクレーム(健康強調表示)を表示することが許可された食品です。上記の内容を見ると、結構曖昧な表現が多いですよね。「医薬品」や「医薬部外品」ではなく、あくまで「食品」なので、「治る」という表現ではなく、「何々が気になる方、これをとると改善されると思いますよ」といったニュアンスです。この「特保」に認定されるには、非常に高いハードルがあります。私のような零細企業では、ほぼ無理だろうという研究と時間とお金をかけます。ま、体に入れるものなので、しっかりとした研究は必要です。なので、多くの「特保」食品は大手企業のものだと思います。しかし、2015年に「機能性表示食品」という制度ができました。これと「特保」との違いは、特保が自社、もしくは自社の研究費で試験管実験、動物実験、ヒト試験を行い「許可制」であるのに対し、「機能性表示食品」は申請しようとする食品に入っている成分が機能性があるとされる量入っていればOK。その成分が他者が研究したものでもよいという「届出制」となったことです。これにより、非常にハードルが低くなりました。第一号はサントリーの「セサミンEX」だそうです。一般の食品と上記のような「保健機能食品」の違いは、機能性の表示が出来るか出来ないかです。一般の食品は出来ません。現在のうどんは一般食品ですので機能性の表示ができませんが、「機能性表示食品」を取れば、機能性を表示できるのです。ただし、ちゃんとした機能性があるものに限りますけど。授業では、「血圧が高めの方の食品」についてのメカニズムを教えていただきました。最初から書くと長いしわかりにくいので要点だけ。血圧を上げる作用のあるアンジオテンシン1からアンジオテンシン2に変換をする酵素(ACE)の活性を阻害することが出来る食品ということのようです。2016.06.30 00:35
りんごが黒くなるのを抑えるのに塩を使うのはなぜ??りんごは切ってそのままにしておくと、黒くなってきますよね。酸化です。これを防止するには塩水につけるというのは多くの方が知っていることです。では、なぜ塩水につけると酸化しない、もしくは遅らすことができるのか!?りんごの中には様々な酵素があります。代表的なものは「ポリフェノールオキシダーゼ」です。これは塩分に弱く、食塩の主成分であるNaClにより、酵素反応を遅らすことができます。ちなみに、りんごのなかでもより黒くなるのはどこでしょうか?答えは、種の周りです。植物にとって種は一番大事なもので、それを守るために酸素に触れると活性酸素を多く吹き付けて、種を守ろうとするのです。活性酸素とは、健康に気をつけている方からはあまり良いイメージがないとおもいます。読んで字のごとく「アクティブな酸素」と言うことで、体に必要なものなのです。しかし、それが出すぎると細胞を傷つけガンになったり、老化を促進したりします。人間誰しも老化します。その活性酸素をやっつける(減少さす)酵素がスーパーオキシドジスムターゼ通称SODと呼ばれる酵素です。このSODを働きをするものは食品でもけっこうあります。って、実はこの活性酸素については昨日習ったほやほやの情報です。トクホや機能性食品についても興味深いことをお聞きしましたので詳しくは後日書きます。りんごの話に戻って、鉄の刃物で切るとその鉄分と酸素が反応して黒くなります。色素にはいろいろあり、メラニン色素というものもあります。髪の毛を黒くしている色素です。これが少なくなると白髪になります。あと、肌の色もこのメラニン色素が関係しています。実はこのメラニン色素を抑える効果が「コウジ酸」にあり、お酒造りの「杜氏」の方に色白の方が多いのはこのためだそうです。そこで「コウジ酸」を使った化粧品がいろいろと出回っいるそうです。野外で長時間動き回るトライアスリートは、日焼け対策も必要ですね。コウジ酸は日焼けを直接抑えることはできないですけど、そのダメージで起こすメラニン色素の生成を抑える効果はあるようです。最後に先生がおっしゃられていた言葉で気になったものを書き留めます。人為的に腐らしていくことを「発酵」と言い偶然発酵していくことを「腐敗」と言う。2016.06.29 01:12
香りは人を引きるける!?食品のことだけとっても、香りというのは美味しく食べる上で非常に重要な要素です。人間を含め大体の動物は口の上に花があり、味と同時に香りを感知します。花を摘んで食べると美味しいものでも、普通に食べてどぶの臭いがしたのでは美味しくないと感じるはずです。味や色には基本があり、それを組み合わせて様々な味や色へと変化するのですが、臭いに関しては基本臭はないそうです。現在388種の臭い成分が発見されています。臭いというのは、それを感知する受容体の疲労が早く、すぐに慣れるそうです。ですので、自分の臭いというのは慣れてあまり臭わなくなるのです。その、慣れを引き起こすことで、他の臭いを鋭敏に察知し、危険にも対処できるようになっているのです。ガスの臭いをすぐに分ける、なんてその一つですよね。ご存知の方も多いと思いますが、家庭で使うプロパンガスや都市ガスには、もともと臭いはありません。ただこのままにしておくとガス漏れに気づかないので危険です。だから、あの「ガス臭」をわざとつけているのです。しかもそのガス臭が「フローヤルの香り」だとか「シトラスの香り」なんて、芳香剤のような人に好まれる臭いだと、ガス漏れしても人がいい気分になるので、漏れた時不快な臭いと感じるような臭いをつけています。メチルメルカブタンという臭い物質はガスの臭いの一部です。フェロモンなんてのも臭いです。それを嗅ぎ分けることができるかどうかでしょけど。臭いも「閾値」を使います。先ほどの「マチルメルカブタン」は閾値が0.1です。柑橘の香り成分「ミルセン」は閾値15グレープフルーツの香り成分「ヌートカトン」は閾値170嫌な臭いとしては、1日履いた靴下の臭い「酪酸」の閾値は240。ということは、結構臭う靴下は酪酸だらけということなんですね!アルコールの主成分「エタノール」は閾値100,000ということで、ほとんど臭いがしません。だから様々なお酒の成分の臭いを引き立たせることができるんですね。「エタノール」の閾値が1くらいだったら、飲む時に鼻をつまんで飲まないといけなかったところです。良い香りとされる臭いに「果物」の臭いがあります。これには大きく「エステル」と「ラクトン」の2種類に分けられます。これは構造式の違いで、「エステル」とは構造式の中にエステル構造という化学式が入っています。「ラクトン」にはラクトン構造が入っています。どんな構造かはこちらを参考に「エステル」「ラクトン」で、エステル構造を持つ香気成分の主な果物はバナナ、なし、ぶどう、オレンジ、ビルベリー、クランベリー、パイナップルなどです。ラクトン構造を持つ香気成分の主な果物はもも、ココナッツなどです。エステルが圧倒的に多いですね。爽やかな香りでしょうか。ラクトンは甘い香りですね。このように様々な香気成分を嗅ぎ分けながら、人は生活しています。アロマテラピーなんてのもありますね。臭いはリラックスをしたり、気分転換をしたりといったいい気分になる要素の一つです。見えないものですが、生活において重要な「アイテム」ですし、食事を美味しく取るためにも重要な要素ですね!2016.06.26 01:00
苦味の基準苦味も「閾値」を使います。子供の頃は苦いものが嫌いでも、大人になると大丈夫なったりしますよね。例えばコーヒーとかビールとか。そもそもビールはアルコールの時点で子供は✖︎ですが、苦味だけを考えられるノンアルビールでも子供の多くは美味しくないと感じるでしょう。人間には先天的に苦味に対する感受性が高いのです。それは苦いものは「毒」と捉えているからです。その中で毒でないものを後天的に学習し「美味しい」と感じるようになります。代表的なものは「カフェイン」ですね。コーヒーやお茶の苦味成分です。閾値は0.0007。なかなか低いですよ!数値の低い方が苦味が強烈です。カフェインは植物性アルカノイドで基本は「毒」です。ただ、我々が取るレベルでは人体に影響のあるほどではないんでしょうね。あと柑橘系に入っている苦味成分は「ナリンギン」といいます。閾値は0.000025でカフェインより強烈です!夏みかんや文旦などの爽やかな苦味ですね。あまりナリンギンは入ってないのでしょう。2016.06.25 06:10
酸味の基準酸味の基準は「閾値(いきち)」という値で数値化されています。この閾値を説明しているとわけがわからなくなるので、こういう名前だということで進めます。で、この閾値が低いほうがより酸味が高いとされます。簡単に言うと、ある感覚が1とすれば、その感覚になるのにどのくらいの量が必要がという値です。ですので、小さいほうがより濃度が高いということになります。通常料理に使うお酢は「酢酸」です。これと混同してしまうのがゆずなどの柑橘系の酸味で「クエン酸」です。「お酢」と「柚子酢」は同じような使い方をするので同系列と思いきや、JAS法ではお米から出来た「酢酸」と柑橘系の「果実酢」で分けられているそうです。閾値は「酢酸」が0.0018、クエン酸が0.0023で少し酢酸のほうがすっぱさが強いです。乳酸はヨーグルトなどの酸味で閾値は0.0016リンゴ酸は白ワインの酸味です。白ワインで価格の高いものはリンゴ酸値も高いそうです。では、赤ワインの酸味はといいますと乳酸です。高いワインは乳酸値が高いようです。リンゴ酸が多い赤ワインはインチキだそうです。ちなみに赤ワインや一部の白ワインでは、マロラティック発酵というのが行われるそうです。マロラクティック発酵とは、乳酸菌がワイン中のリンゴ酸を乳酸と炭酸ガスにする発酵のことだそうです。リンゴ酸(マロ)が、乳酸(ラティック)に変化する発酵ということで、マロラティック発酵といいます。次は苦味について書きます。2016.06.24 23:30
甘味の基準味には基準があります。まずは甘味です。基本は「しょ糖(スクロース)」を甘味度1とします。しょ糖とは砂糖の主成分です。代表的なもので羅列していくとキシリトール 0.6ブドウ糖(グルコース) 0.6ー0.7しょ糖 1果糖(フルクトース) 1.8ステビア 100ー150アスパルテーム 100−200サッカリン 250−700こんな感じです。キシリトールとはガムとかで聞いたことありますよね。果糖は果物の甘さです。ステビアはポカリスエットステビアなんて名前で聞いたことありませんか?実はこのステビアは以前香港へ輸出をする際、ステビアが入っているとできなかったのです。幸いうちの製品はうどんですので使わないですけど、知らないところで使われている例が結構あったようです。今はそういうことはないようです。ステビアは植物由来の甘味料ですので、悪いわけではなく許可の関係だったようです。アスパルテームは、よくコーヒーに入れたりする砂糖の代わりに出てくる甘味料です。人工甘味料ですので以前は添加物扱いだったのが、今は解除されています。しょ糖の200倍ほどの甘味度があるため、少しの量で甘味を感じることができるということで、ダイエット食品などにも使われています。分子の構造上熱に弱く、煮物などに使っても甘味が飛んでしまうため、さっと溶かす程度のコーヒーなどが適しています。このアスパルテームは発見の歴史が変わっていて、ガストリン(胃から出るホルモン詳しくはこちらでみてください)を研究していたチームが、いろいろなアミノ酸の配列を組み替えたりしていました。その時タバコを吸おうとしたら口元が甘かったので、ガストリンそっちのけでその甘味を調べていったところ、アスパルテームは発見されたのです。今では考えられませんよね。喫煙しながら研究するなんて。当時は喫煙しながら研究することも普通だったようです。ま、そのおかげで見つかった甘味料で、2匹目のドジョウはないかと研究したけど、アミノ酸の配列での甘味料はアスパルテーム以外発見されていないようです。甘味度が高いということは、少量で甘味を感じることができるのでカロリーや血糖値を気にされている方は、砂糖の代わりに撮るのは良いことなんではないかと思います。上に紹介したものは、健康被害の実例はまだないとのことです。2016.06.23 01:20